科学

淡水魚115種を全国調査、113種の分布情報を確認 特定外来生物コウライオヤニラミは本州初確認

日本の河川で調査員が採水し、水中に複数の淡水魚が泳いでいる環境調査のイメージ

環境省は2026年10月5日、2022~2025年度に実施した淡水魚類分布調査の結果を公表した。対象115種のうち113種で分布情報を確認し、近縁11種の情報も整理した。既存文献や専門家情報に加え、情報が不足する地域では環境DNAを用いた現地調査を実施。汽水・回遊魚の分布北上、国内由来外来種の拡大、特定外来生物コウライオヤニラミの本州河川での初確認などが報告された。

115種を対象に全国規模で整理

調査対象は、二次的自然環境を主な生息地とする63種、国内希少野生動植物種や広域分布種など45種、特定外来生物7種の計115種。2000年以降の既往文献や各種調査結果を整理し、専門家から提供された分布情報と統合した。

情報空白地域では環境DNAを活用

従来の捕獲調査だけでは分布情報が不足する地域について、河川水などに含まれる生物由来DNAを調べる環境DNA調査を実施した。生物を直接捕まえなくても生息の手がかりを得られるため、広域調査の情報空白を補う方法として使われている。

分布北上と国内由来外来種の拡大

環境省は主なトピックとして、汽水性・回遊性魚種の分布北上傾向、国内由来の外来種の分布拡大、特定外来生物の本州初確認を挙げた。分布の変化には気候変動や人為的な移入など複数要因が考えられ、単一の原因だけで説明しないことが重要だ。

コウライオヤニラミを群馬県の河川で確認

特定外来生物コウライオヤニラミは、2023年と2024年の環境DNA調査で群馬県・利根川水系鮎川からDNAが微量検出され、2024年10月29日の潜水調査で1個体を確認・捕獲した。本州の河川では初確認。2017年に宮崎県大淀川水系で国内初確認されて以降、分布拡大と在来魚類相への影響が懸念されている。

その後も現地調査が行われ、2026年9月1日には本種を含む対象が外来生物法に基づく特定外来生物として新たに指定された。現在、利根川水系鮎川では群馬県などによる捕獲調査が進められている。

分布情報は保全と外来種対策の基礎データ

今回の結果は『魚が増えた・減った』という単純な全国順位ではなく、どこにどの種が分布しているか、その範囲が過去からどう変わったかを把握する基礎資料だ。希少種の保全、河川環境の管理、外来種の早期発見・対策などに活用できる。環境省は「自然環境保全基礎調査2022-25淡水魚類分布調査報告書」も公開しており、地域別・種別の詳細は報告書で確認できる。

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